トイレリフォームの失敗事例 開き戸は内開きか外開きか?
さて、皆さんはこのトイレを見て、どう思いますか?
トイレの入り口は開き戸を使っていて、内側に開くようになっていますよね。
この内開きというのは、リフォームでは絶対に行ってはいけないことです。
私は35年間、長くリフォーム業に従事してきましたが、トイレの入り口は第一に引き戸、開き戸の場合は必ず外開きでプランするように心掛けてきましたし、一度も内開きのドアにしたことはありません。

トイレのリフォームで開き戸を使用する場合は必ず外開きにする
トイレをリフォームする際は、開き戸は外開きが基本です。
これは、トイレの中で脳溢血や脳卒中で転倒してしまった場合、倒れた身体が邪魔になり外からドアを開けて救助に入れなくなるからです。
トイレの開き戸が外開きなら、中で人が倒れていてもすぐに救助に入ることができます。

かなり前のことになりますが、私は住環境福祉コーディネーターという資格を取得しました。
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。 医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示します。 また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。
住環境と健康に関する意識が高まるにつれ、トイレの開き戸は外開きが基本と考えれるようになりました。
トイレをリフォームする際は入り口を引き戸にするのが理想的
トイレの入り口を開き戸にする場合は外開きが基本としましたが、理想的なのは引き戸にすることです。
引き戸は高齢者でも力を使わずに開閉でき、スムーズな入退室が可能になります。
引き戸を使用する際は、床にレールを必要としない上吊り引き戸にして、床を完全なバリアフリーにすることがポイントです。

トイレの入り口の段差を解消してバリアフリーにリフォーム
この画像をご覧になってどう思いますか?
トイレの入り口にごっつい段差がありますが、これは廊下とトイレの床仕上げ材がことなるため、縁を切るための「見切り材」といわれるものです。
床の段差は5mm以下まではバリアフリーとして認められますが、これでは完全にNGで、つまづきやすい高さです。

私は住環境福祉コーディネーターの立場上、リノベーション・リフォームプランナーという職業柄もあり、特に住まいのバリアフリーに関しては敏感になっています。
ですから、上の画像のごっつい床見切り材は耐えられませんし、許し難いことです。
私から言わせれば、完全な施工不良です。
床見切り材の種類


床の仕上げ材が異なる合わせ目にそれぞれ床見切り材を使っていますが、左は木の右はステンレスの見切り材を入れて、段差を5mm以下にしてバリアフリーにしてあります。
これはトイレの入り口だけに限らず、住まいのあらゆることに共通することです。
厚みのない、薄い床見切り材を使用して、住まいの床は全部バリアフリーにしましょう。